血中コレステロールやアポリポ蛋白の測定は動脈硬化のスクリーニングや治療に重要である。しかし、どの項目を指標とするのが最も効果的であるかについて、明確なエビデンスはなかった。
主要な血中コレステロールおよびアポリポ蛋白と冠動脈疾患・心筋梗塞との関連性を英米の大規模な研究グループが解析した結果、測定項目は総コレステロール(TC)と高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)、もしくはアポリポ蛋白のみに簡素化することが可能で、検査前絶食や中性脂肪(TG)測定は必要ないことが分かった。JAMA誌11月11日号に発表された。
データはEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)の記録から抽出された。まず、(1)Population-basedである、(2)死因別、または動脈硬化性疾患による死亡率の記述がある、(3)観察期間が1年以上――という条件を満たす112研究、120万例が選ばれた。
その中で、登録時に冠動脈疾患(CHD)の既往がなく、ベースラインのTC、HDL-C、TG値、その他の危険因子(年齢、性別、喫煙状況、糖尿病の既往、収縮期血圧、Body Mass Index)の記録がある68研究30万2430例が対象となった。
対象研究中、アポリポ蛋白B(Apo B)とアポリポ蛋白AI(Apo AI)が記録されていたのは22研究9万1307例で、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の直接測定を行っていたのは、8研究4万4234例だった。
1次アウトカムはCHD(初回の心筋梗塞発症またはCHDによる死亡)とした。
Friedewaldの式で算出されたLDL-Cを用いた場合に生じるバイアスを避ける目的で、解析にはLDL-Cではなくnon-HDL-C(TCからHDL-Cを引いた数値)を用いた。TG値での解析時はログ変換を行った。
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