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Circ J誌から
心房細動の有無で心不全の総死亡・再入院率に差なし
わが国の心不全患者約2700例を追跡したJCARE-CARD研究

2009/11/20
小塩 尚代=メディカルライター

 心不全の悪化で入院した患者において、心房細動の有無は退院後の死亡および再入院の予測因子とはならないことが分かった。入院治療を要する心不全患者の臨床的特徴・治療法・予後を調査するために日本で行われた多施設の前向き登録観察研究Japanese Cardiac Registry of Heart Failure in Cardiology(JCARE-CARD)の結果で、Circ J誌11月号に掲載された。

 心不全の長期予後を心房細動が悪化させるか否かに関する過去の報告は一致していない。これらの報告の大部分はコホート研究および大規模臨床試験であり、実地診療における一般的な心不全患者を対象としていない。また、多くの研究は欧米で実施されたため、日本人患者に適用できない可能性がある。

 そこで、実地診療の場で心不全患者を選別せずに登録した日本のレジストリーJCARE-CARDのデータベースを用いて、心房細動が心不全の長期予後に及ぼす影響を調査した。

 JCARE-CARDでは、2004年1月から2005年6月の間に心不全の悪化で164の参加施設に入院した2675例を登録した。平均年齢は71.0歳で、59.8%が男性だった。

 心房細動の有無は、登録時に実施した標準12誘導心電図に基づいて診断した。16例は心電図データがなかったため2659例が解析対象となり、心房細動群は937例(35.2%)、非心房細動群は1722例(64.8%)だった。

 心房細動群は有意に高齢で、心不全の原因として心臓弁膜症が多く、左室駆出率(EF)が大きかった。また、心房細動群には退院時にジギタリスとワルファリンが高頻度に処方されていた。

 退院後1年以上経過した時点で全症例の予後を調査した(平均追跡期間2.4年)。追跡データが得られたのは2105例(79.2%、心房細動群742例、非心房細動群1363例)だった。

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