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N Engl J Med誌から
オンポンプCABGの1年後成績はオフポンプより良好
死亡を含む複合アウトカムを比較した初の大規模試験

2009/11/18
西村 多寿子=東京大学

 冠動脈バイパス術CABG)適応患者を、人工心肺を用いるオンポンプ群と人工心肺を用いないオフポンプ群に割り付けた初の大規模臨床試験の結果が、N Engl J Med誌11月5日号に掲載された。死亡を含む複合アウトカムの発生に関して術後30日では両群間に有意差がなかったが、術後1年ではオフポンプ群が有意に多かった。1年後のグラフト開存率もオンポンプ群が有意に高かった。

 ROOBY(Randomised On/Off Bypass)と名付けられた、この単盲検ランダム化比較試験は、2002年2月から2008年5月まで、米国退役軍人病院18施設で行われた。緊急または待機的CABGの適応とされた9663例について試験参加の適格性を検討。中等度から重症の弁疾患がある例、即時手術を要する例、対象病変の内径が1.1mm未満の例、びまん性冠動脈疾患がある例、有害事象の発生リスクが極めて高い例、説明に対する同意が得られない例が除外された。

 基準を満たした2203例がオフポンプ群(1104例)とオンポンプ群(1099例)にランダムに割り付けられた。ベースライン時と1年後に血管造影と神経心理学的検査が行われ、割り付け結果を知らされていない専門家が評価した。

 試験に参加する外科医は、最低20例のオフポンプCABGの施行経験を有することが求められた。試験に参加した外科医のオフポンプの平均手術回数は120例(中央値50)だった。患者は各医師にバランスが取れるように割り当てられ、術式はすべて標準的な正中胸骨切開法で行われた。臨床的に必要と判断された場合には、割り付けと異なるCABGへの変更が認められた。

 1次エンドポイント(短期)は、退院前あるいは術後30日以内に発生した死亡および主要合併症(再手術、心補助装置の装着、心停止、昏睡、脳卒中、透析を要する腎不全)の複合とした。1次エンドポイント(長期)は、1年以内の総死亡、術後30日から1年の間に発生した非致死的心筋梗塞、血行再建術の再施行の複合とした。

 2次エンドポイントは、血行再建術の完全性(術前に計画されたグラフト数と実際の数の比較)、1年後のグラフト開存率、神経心理学的検査のスコア、輸血や術後のICU滞在時間など医療リソースの使用とした。

 平均年齢はオフポンプ群63.0歳、オンポンプ群62.5歳、男性の比率はオフポンプ群99.4%、オンポンプ群99.5%。ベースライン時の患者特性は両群間で同等だった。40%を超える患者が糖尿病に罹患し、大多数に3枝病変があったが、左室機能は正常だった。手術による予測死亡率も両群間に有意差はなかった(1.9%対1.8%、P=0.25)。

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