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JAMA誌から
腹部大動脈瘤の血管内治療は開腹手術より優れるか
周術期死亡率は有意に低かったが、2年後の累積死亡率は有意差なし

2009/10/30
岡本 絵理=メディカルライター

 米国での多施設ランダム化比較試験の中間報告で、腹部大動脈瘤(AAA)に対する血管内治療は開腹手術に比べて周術期死亡率が有意に低いことが分かった。しかし、2年後の累積死亡率では両群間に有意差はなかった。この結果はJAMA誌10月14日号に掲載された。

 著者らは待機的にAAAの治療を予定している患者中、(1)AAA最大外径が5.0cm以上、(2) AAAに最大径3.0 cm以上の腸骨動脈瘤を伴う、(3)AAA最大外径が4.5cm以上であり急速拡大(6カ月で0.7cm以上または12カ月で1.0 cm以上)を伴うか嚢状である──例を適格とした。腹部動脈手術歴のある例、緊急治療を要する例、説明に対する同意が得られない例、実施計画を順守できない例は除外した。

 5161例を評価し42施設で881例が適格とされ、444例を血管内治療群、437例を開腹手術群にランダムに割り付けた。ランダム化から6週間以内にいずれかの治療を実施し、治療後1カ月および登録から6カ月後、12カ月後、以降は年1回、追跡調査の予定を組んだ。

 本試験は継続中であり、今回は2002年10月15日~2008年10月15日の期間について、追跡期間を2年で区切って解析した。解析はintention-to-treatで行った。

 1次アウトカムは長期(5~9年)の総死亡率。2次アウトカムは手技不成功、短期の主要循環器疾患罹患率、入院期間、ICU滞在期間、そのほかの手技関連疾患罹患率、健康関連のQOL、勃起機能不全とした。

 ベースライン時点では、開腹手術群でアスピリンの使用者が多かった点を除き、2群間に有意差はなかった。

 血管内治療群では開腹手術群と比べ、手技時間(3.6時間対5.0時間)、人工呼吸器使用時間(3.6時間対5.0時間)、入院期間(3日対7日)、ICU滞在期間(1日対4日)、失血量(200mL対1000mL)、輸血必要量(0単位対1.0単位)が有意に少なかったが、X線透視(23分対0分)や造影剤(132.5mL対0mL)への曝露は有意に多かった(カッコ内の数値は中央値、いずれもP<0.01)。

 

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