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J Am Coll Cardiol誌から
小児心疾患の診断にも血漿BNP値が有用
新生児、小児、成人ではカットオフ値が異なる

2009/10/14
難波 寛子=医師

 成人の心不全診断において血漿BNP(B-type natriuretic peptide)値が有用であることは広く知られているが、小児における有用性は証明されていない。米国ワシントン大学の研究者らが単施設前向き研究を行ったところ、重大な心疾患のトリアージ目的での血漿BNP測定は小児においても有用であることが分かった。小児でのカットオフ値は成人のものとは異なり、生後7日以内の新生児と8日以降の小児でも違いが見られた。この結果は、J Am Coll Cardiol誌10月6日号に掲載された。

 対象は、修正在胎36週から19歳までの既知の心疾患がない患者で、心疾患を疑う症状があり非専門医から小児循環器専門医へ緊急に紹介された症例とした。心雑音のみ、あるいは一過性の動悸のみでほかに症状がないものは除外された。敗血症や、治療を要する腎不全、循環器医が診断するためのデータが不十分な例、利尿薬投与など心血管系に対する治療を開始して6時間以上経過した例も除外された。

 心臓の機能もしくは解剖学的異常が、循環器専門医により確認された場合に心疾患ありとした。専門医への紹介の理由となった症状と無関係の異常は、心疾患なしとして扱った。疾患は解剖学的異常の有無により分けて検討された。また、生後7日以内の新生児と8日以降の小児は別々に検討された。

 紹介後24時間以内に採血を行い、採血後4時間以内に血漿BNPを測定した。

 研究期間は20カ月。102例が登録され、最終的に100例(新生児42例、新生児以外58例)が研究基準を満たした。97%に心エコーが行われ、92%で胸部X線が撮影された。胸部X線で異常がある症例の血漿BNPの中央値は263pg/mL(5~5000 pg/mL)、正常例では47pg/mL(5~2890pg/mL、P=0.009)だった。

 症状は、呼吸困難が最も多く(新生児の64%、新生児以外の60%)、次いで低酸素血症(45%、19%)、哺乳困難または生育不良(5%、17%)、倦怠感(10%、14%)、失神(0%、7%)だった。

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