日経メディカルのロゴ画像

BMJ誌から
STEMIに対するprimary PCIは早ければ早いほど良い
ガイドライン推奨の90分以内でも、処置を早めれば死亡率はさらに低下

2009/06/09
小塩 尚代=メディカルライター

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に対する直接的経皮的冠動脈インターベンション(primary PCI)の成績(死亡率)は、door-to-balloon時間に比例して悪くなること、この時間経過に伴う死亡リスクの上昇は、primary PCI実施時間として推奨されている90分以内であっても認められることが分かった。この結果はBMJ誌オンライン版で5月19日、公開された(雑誌は5月30日号に掲載)。

 2007年のACC/AHAのガイドラインでは、STEMIに対するprimary PCIは、患者が来院してから(あるいは救急車が現場に到着してから)90分以内に行うべきであると勧告している。

 PCI実施の遅延に伴う死亡率の上昇は複数の研究で認められているが、死亡リスクが時間経過とどのようなパターンで関連しているかは不明である。また、治療までの時間が90分よりも短かった場合に、死亡リスクの一層の低下が期待できるかどうかについても、データが不足している。

 そこで、米イェール大学のグループがプロスペクティブなコホート研究を行い、治療までの時間と院内死亡率との関連を調査した。

 対象患者として、心臓カテーテル治療を受けた患者のデータベースであるthe American College of CardiologyのNational Cardiovascular Data Registryから、2005~06年にSTEMIで発症後12時間以内に来院し、primary PCIを受けた患者を選択した。他の施設から搬送されてきた患者、PCI前に線溶療法を受けた患者、18歳未満あるいは99歳超の患者、PCIの報告数が5回未満の施設で治療された患者は除外した。

 治療までの時間(door-to-balloon時間)は、患者が来院してから初回のバルン拡張あるいはデバイス留置までの時間と定義した。選択された患者中、door-to-balloon時間のデータがなかった患者、door-to-balloon時間が15分未満あるいは6時間超だった患者は除外した。

 最終的な対象患者4万3801例におけるdoor-to-balloon時間の中央値は83分であり(四分位範囲62~109分)、57.9%の患者が来院から90分以内に治療されていた。全患者における院内死亡率は4.6%だった。

この記事を読んでいる人におすすめ