日経メディカルのロゴ画像

N Engl J Med誌から
米国でも包括的電子情報システムの導入病院は1.5%
普及拡大の障害は導入・維持コスト、悩みは各国共通の様子

2009/06/03
難波 寛子=医師

 米国でも病院のIT情報技術)化は遅れているようだ。全米の病院を対象とした調査から、すべての部署で包括的な電子情報システムが導入されている施設は全体の1.5%しかなく、一部の部署に基本的な電子情報システムが存在する施設が7.6%、処方オーダーが電子化されている施設も17%にとどまることが分かった。N Engl J Med誌4月16日号に掲載された。

 医療に質の向上と効率化をもたらすとして、医療機関のIT化の促進は2009年の米国復興・再投資法でも優先課題とされている。しかし、電子情報システムの普及率を調べた過去の調査では5%から59%と大きな幅があり、電子情報システムの定義や対象の選択などに問題点が指摘されていた。

 本研究は米国病院協会(American Hospital Association)所属の全急性期病院を対象にアンケート方式で行われた。調査期間は2008年3月~2008年9月。質問内容は、(1)電子情報システムの32種類の機能の有無と、それら機能が導入されている部署の比率、(2)電子情報システムの導入にあたって障害となる・ならない要因、特定の政策変更が電子情報システム導入の判断に際してプラスかマイナスか――などとした。

 「包括的な」または「基本的な」電子情報システムに必要な機能は、専門委員会が決定した。包括的な電子情報システムの要件は、24の機能がすべての主要部署で使えるようになっていること、基本的な電子情報システムの要件は8の機能が少なくとも1つの部署で使えるようになっていることとされた(表1)。医師の記述と看護記録が基本的な電子情報システムの要件から外れたため、基本的な電子情報システムはこれらの有無により、さらに2つに分類された。

この記事を読んでいる人におすすめ