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Lancet誌から
ボグリボースが耐糖能異常者の2型糖尿病発症を抑制
日本人対象のプラセボ対照二重盲検比較試験の結果

2009/05/13
西村 多寿子=東京大学

 耐糖能異常を有する日本人を対象に、生活習慣の改善に加えて、αグルコシダーゼ阻害薬ボグリボースを投与する群とプラセボを投与する群に分けて2型糖尿病の発症率を比較する大規模臨床試験の結果、ボグリボース群ではプラセボ群に比べて2型糖尿病の発症リスクが40.5%低下した。この結果は、Lancet誌5月9日号に報告された。

 本試験は、2003年4月から日本国内の103施設で実施されたプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験。家族歴、血圧、体重、血液検査などから耐糖能異常の疑いがある、30~70歳の男女をスクリーニングした。対象患者の選択基準は、空腹時血糖値<125mg/dL、75g糖負荷試験(OGTT)2時間値140~200mg/dL、HbA1c<6.5%を満たし、2型糖尿病の危険因子(正常高値血圧または高血圧治療中、脂質異常症、肥満、糖尿病の家族歴)を1つ以上有すること。ただし、糖尿病もしくは耐糖能異常を来し得る疾患を有する患者は除外した。

 基準を満たした患者を、ボグリボース群とプラセボ群にランダムに割り付け、ボグリボース0.2mgまたはプラセボを1日3回食前に投与した。また、治療開始前4~8週間には、厚生労働省による日本人の栄養所要量と生活活動強度に基づき、食事と運動に関する助言を行い、受診のたびに遵守状況を評価した。

 主要エンドポイントは、2型糖尿病の発症とし、その定義はHbA1cが6.5%以上で、期間を空けた2回の検査において、OGTT2時間値≧200mg/dL、空腹時血糖≧126mg/dL、随時血糖≧200mg/dLの3項目のうち最低1つを満たす場合とした。二次エンドポイントは、血糖値が正常化した患者数とし、OGTT2時間値<140mg/dL、空腹時血糖<110mg/dLに設定した。

 2007年3月に行われた中間解析の結果、2型糖尿病の発症がボグリボース群(40例)よりプラセボ群(84例)に多かったことから(P=0.0026)、データ監視委員会は試験の早期中止を決定した。登録された4582例中1780例が基準を満たし、ボグリボース群897例とプラセボ群883例(うち2例は試験薬を服用せず除外)が最終解析の対象になった。

 平均治療期間は48.1週(標準偏差:36.3)だった。平均年齢、男女比、BMI (体格指数)などベースラインの特性は両群間で同等だった。

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