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J Am Coll Cadriol誌から
LMTへのTAXUS対Cypher、2年後の予後に差なし
薬剤溶出ステントの治療成績はCABGに匹敵、ISAR-LEFT MAIN試験

2009/03/23
山川 里香=医学記者

 非保護左冠動脈主幹部(unprotected LMT)病変に対して、パクリタキセル溶出ステント(PES)を留置する群とシロリムス溶出ステント(SES)を留置する群にランダムに分けて予後を比較したところ、1年後の主要心イベント累積発生率やステント血栓症発生率、2年後の死亡率、再狭窄率に有意差は認められなかった。Deutches Herzzentrum(ドイツ、ミュンヘン)のJulinda Mehilli氏らによるISAR-LEFT MAIN試験の結果が、J Am Coll Cadriol誌のオンライン版に2月25日に掲載された。

 薬剤溶出ステントDES)の再狭窄率が大幅に低下したため、DESがunprotected LMT病変治療の合理的選択肢となる可能性がある。しかし、全種のDESが同等の安全性と有効性を有するかは不明である上、unprotected LMT病変を有する患者はこれまでランダム化試験から除外されてきた。著者らは冠動脈形成術PCI)の最適化に役立つと考え、同病変に対する使用頻度の高いPES(TAXUS)とSES(Cypher)のランダム化比較試験を行った。

 対象者は、18歳以上でLMTに50%以上の新規狭窄があり、かつ心筋虚血の所見あるいは虚血症状を有する607例。2005年7月から2007年6月までに登録し、PES群(302例)、SES群(305例)にランダムに割り付けた。除外基準は、発症48時間以内のST上昇型心筋梗塞、CABGの既往、ステント内再狭窄、心原性ショック、LMT径4.5mm超、指標PCIから30日以内の段階的PCI施行予定例などとした。

 PCI施行決定直後に、アスピリン静注(500 mg)とヘパリン動注/静注(合計140 単位/体重kg)またはビバリルジン投与(PCI開始までに0.75 mg/kgのボーラス投与、術中は1.75 mg/kg/hで静注)を行い、術者の判断により糖蛋白IIb/IIIa阻害薬を投与した。

 1次エンドポイントは全死亡、心筋梗塞(MI)、標的血管再血行再建(TLR)の1年後合計発生率、2次エンドポイントは冠動脈造影上のLMT再狭窄率とした。

 ベースライン特性に差はなく、各群の4分の1が女性、女性の30%近くが糖尿病、2分の1が急性冠症候群、Parsonnet score>15はPES群35.0%、SES群29.2%(p=0.12)、EuroSCORE≧6はPES群37.0%、SES群31.8%(p=0.17)だった。

 追跡期間12±1カ月で、1次エンドポイントはPES群13.6%(95%信頼区間[CI]:12.2-20.4%)、SES群15.8%(95%CI:10.2-18.1%)で、PES群が劣るという仮説はP<0.001で棄却された。PES群の相対リスク(RR)は0.85(95%CI:0.56-1.29)だった。2年後の死亡率、再狭窄率についても両群間に有意差は認められなかった(図1)。

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