日経メディカルのロゴ画像

Circulation誌から
DES留置6カ月以降チエノピリジン投与に有益性見いだせず
j-Cypherレジストリーの2年間の追跡結果

 薬剤溶出ステントDES)留置後に行う抗血小板療法で、チエノピリジン系薬剤とアスピリンの両方を中止すると遅発性のステント血栓症(ST)発生率が上昇するが、チエノピリジンのみを中止してもリスク上昇は見られず、留置6カ月以降のチエノピリジン投与に明らかな有益性は認められなかった。わが国で行われた多施設前向き観察研究j-Cypherレジストリーの2年間の追跡結果でわかったもので、Circulation誌2月24日号に掲載された。

 急速に普及が進むDESであるが、抗血小板療法の継続期間や長期的なアウトカムにはまだ結論が出ていない。j-Cypherレジストリーは、シロリムス溶出ステント(SES)の安全性と有効性を検討するために、京大、天理よろづ相談所病院、倉敷中央病院など国内37施設が参加して、1万5000例以上の連続症例を登録している。

 京大循環器内科准教授の木村剛氏らの研究グループは今回、j-Cypherレジストリーを利用して、チエノピリジンの継続期間とST発生率について調べる前向き研究を実施した。対象とした症例は、冠動脈疾患によりSESを留置し、2年後のアウトカムが評価できた1万778例。抗血小板療法の実施方法別に前向きに追跡した。

 血管造影上確認された(definite) STの累積発生率は、ステント留置から30日後、1年後、2年後でそれぞれ0.34%、0.54%、0.77%であった。チエノピリジンの継続率は30日後、1年後、2年後の時点で、それぞれ97%、62%、50%であった。

 チエノピリジンとアスピリンともに中止した患者では、ステント留置から31~180日後、181~365日後、366~548日後の各期間において、両薬剤を継続している患者と比べて、ST発生率が有意に高かった(1.76%対0.1%、p<0.001;0.72%対0.07%、p=0.02; 2.1%対0.14%、p=0.004、図1)。

この記事を読んでいる人におすすめ