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Circulation誌から
心臓再同期療法で重症心不全の入院リスクは確かに減少
死亡競合リスクを考慮したCOMPANION試験の解析結果

 重症心不全患者に対して、薬物療法単独群と心臓再同期療法CRT)群に分けて経過を比較した結果、死亡競合リスクを考慮しても、CRT群では総入院回数および心疾患・心不全による入院回数が有意に減少することがわかった。CRT群では、植込み型除細動器装着の有無で差は見られなかった。この結果は、Circulation誌2月24日号に掲載された。

 心不全が進行すると、心筋の伝達障害によって壁運動の同期不全が生じて、心室の作業負荷およびストレスが増加する。同期不全によって心不全がさらに増悪するという悪循環が起こる。CRTは、右室と左室を同時にペーシングすることによって心室壁の同期不全を修正し、心血行動態の改善を図る治療法。米国では2001年に米食品医薬品局(FDA)が承認して以来、急速に普及して有効性が示されており、日本でも実施例が増えてきている。

 今回の報告は、ミネアポリス退役軍人医療センター、ノースカロライナ大学など米国の12施設が参加して行われたCOMPANION(the Comparison of Medical Therapy, Pacing and Defibrillation in Heart Failure)試験と名付けられた大規模前向き研究の解析結果である。

 対象は、NYHA III度またはIV度の虚血性心筋症または拡張型心筋症で、心電図上QRS幅が120msを超える患者1520例。薬物療法群(optimal pharmacological therapy;OPT)、CRT+薬物療法群(CRT-P)、CRT+植え込み型除細動器群(CRT-D)の3群に1:2:2の割合で無作為に割り付けた。主要エンドポイントは、死亡とあらゆる原因による入院(総入院)。2次エンドポイントは総死亡。
 
 同試験の主要な結果は既に報告されていて、CRT-P群、CRT-D群ではOPT群に比べ死亡および総入院のリスクが有意に低く、CRT-D群では総死亡を有意に低下させることがわかっている。しかしこの結果は、死亡競合リスクを考慮しておらず、CRTが死亡と独立して入院リスクを低下させるかどうかは不明だった。

 そこで今回、ミネアポリス退役軍人医療センターの研究者らは、COMPANION試験の結果のノンパラメトリック解析を行い、平均入院回数・日数を、死亡や心イベントなどによる入院とは別に算出し、経過観察期間で補正した。

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