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Circ Heart Fail誌から
慢性心不全に対するアリスキレンとRAA系抑制薬の併用効果
12週間の投与でBNP濃度は有意に低下し忍容性も良好、ALOFT試験

2009/03/02
西村 多寿子=東京大学

 慢性心不全患者に対して、ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)を含む標準的治療に直接的レニン阻害薬アリスキレンを追加投与したところ、心不全の重症度の指標となる脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が有意に低下した。詳細はCirc Heart Fail誌に掲載された。

 ALOFT(the Aliskiren Observation of Heart Failure Treatment)試験は、9カ国75施設で実施された。対象は18歳以上で次の基準を満たす患者とした:(1)NYHA II~IV度、(2)本態性高血圧との診断、(3)ACE阻害薬(またはARB)およびβ遮断薬の安定した投与量で治療中、(4)血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(plasma BNP)>100pg/mL。ただし、ACE阻害薬とARBの両方の投与を受けていた患者は除外した。

 2週間の単盲検プラセボ投与期間に、BNP濃度や服薬状況など試験参加の適格性を確認した後、患者をアリスキレン群(156例)とプラセボ群(146例)にランダムに割り付け、12週間の二重盲検試験を行った。アリスキレンの投与量は150mg/日。本試験はアリスキレンの安全性と忍容性を評価するために行われ、有効性についての主要評価項目をヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)の治療期間前後の差とした。

 患者の平均年齢は68歳、男性が多かった(アリスキレン群80%、プラセボ群76%)。ベースライン時の平均左室駆出率は31%、患者の61%がNYHA II度、38%がNYHA III度だった。84%の患者にACE阻害薬が使われており、94%はACE阻害薬(またはARB)とβ遮断薬を併用し、32%は抗アルドステロン薬も服用していた。二重盲検試験に参加した302例のうち、277例(92%)が12週間の試験を完了した。

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