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Circulation誌から
アリスキレンの左室肥大軽減作用はロサルタンと同等
過体重の高血圧患者に対する直接的レニン阻害薬の有用性、ALLAY試験

2009/03/23
西村 多寿子=東京大学

 ACE阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、心血管系臓器に対して保護作用を示すことが明らかになっているが、新たに開発された直接的レニン阻害薬アリスキレンも、ACE阻害薬やARBと同等の降圧効果に加え、臓器保護作用が期待されている。

 左室肥大の改善作用をアリスキレンとARBのロサルタンで比較した試験から、過体重の高血圧患者に対するアリスキレンとロサルタンの併用では、ロサルタンの単剤投与を上回る効果は認められなかった。しかし、アリスキレン単剤投与とロサルタン単剤投与の比較から、両剤の作用は同等であることが示された。詳細はCirculation誌2月3日号に掲載された。

 ALLAY(the Aliskiren in Left Ventricular Hypertrophy)試験と命名された本試験は、8カ国77施設で実施された。対象は、BMI>25kg/m2、心エコーにて左室壁肥厚所見(≧13mm)がある高血圧患者(≧140/90mmHgかつ<180/110mmHg)。アリスキレン単独、ロサルタン単独、アリスキレン+ロサルタン併用の3群に割り付け、ベースライン時と試験終了時の左室心筋重量を比較した。試験の主要目的は、アリスキレン+ロサルタン併用群のロサルタン群に対する優越性、副次目的は、アリスキレン群のロサルタン群に対する非劣性の検討とした。

 なお本試験では、左室心筋重量などの心形態や機能はランダム割り付け時および試験終了時の心臓MRI検査で評価した。また、ランダム割り付け後28週間以上追跡され、割り付け時と試験終了時の2回の心臓MRI検査の所見が揃っている患者が、有効性の評価対象となった。

 試験デザインは、ACE阻害薬/ARBの投与歴がある者は12週間のwashout期間、投与歴がない者は2週間の観察期間の後、上述の3群にランダムに割り付けた。アリスキレン群は150mg/日で投与開始、2週間後に300mg/日に増量して34週間投与した。ロサルタン群は50mg/日で開始して2週間後に100mg/日に増量、34週間投与した。アリスキレン+ロサルタン併用群は、150mg+50mg(アリスキレン+ロサルタン、以下同様)で2週間投与後、300mg+100mgに増量し34週間投与した。降圧目標に達しない場合は、利尿薬、Ca拮抗薬、α遮断薬などを追加使用可とした。

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