日経メディカルのロゴ画像

Arch Intern Med誌から
CHDの既往の有無にかかわらずスタチンは有効
期間服用率90%以上の人は10%未満の人に比べ全死亡リスクが45%以上減少

2009/02/27
岡本 絵理=メディカルライター

 スタチンの投与により冠動脈疾患CHD)の有無にかかわらず全死亡は低下することが、イスラエルの民間健康保険の加入者を対象とした後ろ向きコホート研究から明らかになった。保険会社と同国テルアビブ大の研究グループが、Arch Intern Med誌2009年2月9日号に報告した。

 CHD既発症者にスタチンを投与すると心血管死亡が減少することが、いくつかの長期プラセボ比較対照試験から明らかとなっている(2次予防)。一方、CHD非発症者に1次予防を目的としてスタチンを投与しても、全死亡は減少しなかったとするランダム化試験の結果も報告されており、評価は定まっていない。これを踏まえ著者らは、スタチン投与による1次予防および2次予防の効果について検討した。

 対象は、Maccabi Healthcare Serviceに加入し、1998年1月1日~2006年12月31日に1回以上スタチンを処方された18歳以上の22万9918人。スタチンを初めて薬局で購入した日をスタチン投与開始日とした。追跡期間は最長9.5年間。ベースライン時にCHDおよび他の心血管疾患の徴候がない人(1次予防群)と、心血管疾患の既往がある人(2次予防群)に分類し、全死亡を比較した。

 対象者の平均年齢は57.6歳、女性が50.8%を占めていた。死亡は、1次予防群が13万6052人中4259人(7.8/1000人・年)、2次予防群が9万3866人中8906人(19.0/1000人・年)。平均追跡期間は1次予防群が4.0年、2次予防群が5.0年だった。

 実際にスタチンを服用していたとみられる日数を薬局での保険償還記録から推算し、投与開始日から追跡終了日までの日数で除した数字をProportion of Days Covered(日数カバー率;PDC)と定義して算出、10%ごとに層別化した。Cox比例ハザード回帰を用い、PDC10%未満の層を1としたときの各層のハザード比(HR)を求めた。

 PDCが10%以上の階層全体では、1次予防群のHRは0.94(95%信頼区間[95%CI]:0.93-0.95)、2次予防群が0.93(95%CI:0.93-0.94)だった。両群とも、ベースライン時のLDLコレステロール値がより高い人、および使用されていたスタチンの効果がより強い(スタチンの種類と用量から決定)人で、HRが大きく低下していた。

この記事を読んでいる人におすすめ