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N Engl J Med誌から
薬理遺伝学的アルゴリズムでWarfarin初回投与量を決める
臨床医の日常的な疑問に答えるものではないが、1つの到達点を示す論文

 経口抗凝固療法の開始時にワルファリンの投与量を決定する際、同薬剤の薬物動態にかかわる遺伝子多型を考慮すべきという指摘があるものの、遺伝情報を用いた実際的な決定方法について、多様かつ大規模な集団を対象とした評価はなされていない。

 国際ワルファリン薬理ゲノムコンソーシアム(International Warfarin Pharmacogenetics Consortium)は、広範な集団の臨床データと遺伝データに基づき適切なワルファリン投与量を推定するためのアルゴリズムを作成、ワルファリンの初回投与量を精度よく設定できることを実証した。N Engl J Med誌2月19日号に論文が掲載された。

 米国、欧州、台湾、韓国など9カ国21の研究機関から成る国際ワルファリン薬理ゲノムコンソーシアムには、日本からは東大医科研教授の中村祐輔氏らが参加した。

 5052例の対象者を、4043(80%)例の導出コホートと1009(20%)例の検証コホートに分けた。導出コホートを用いて構築したアルゴリズムを、検証コホートで実証する手順をとった。患者4043例の臨床データと遺伝データを用いて、臨床変数のみに基づく投与量アルゴリズムと、臨床変数に遺伝情報を加えたアルゴリズムを作成した。遺伝情報として利用した遺伝子多型は、CYP2C9の*2および*3、さらにVKORC1の7つのSNP(-1639G→A、1173C→T、497T→G、1542G→C、3730G→A、2255C→T、-4451C→A)である。

 次に、1009例から成る検証コホートで、推定されたワルファリン投与量が実際の安定用量からの誤差が20%以内である患者の割合を算出し、2つのアルゴリズムと固定用量(35mg/週)の潜在的な臨床的価値を評価した。臨床的に関連のある、その他の指標も評価した。

 各種モデルを検討の後得られたアルゴリズムは以下の通り。
=ROUND((5.6044-0.2614*INT(Age/10)+0.0087*Height+0.0128*Weight-IF(VCORC1="A/A",1.6974,IF(VCORC1="A/G",0.8677,IF(VCORC1="U",0.4854,IF(VCORC1="G/G",0))))-IF(CYP2C9="*1/*2",0.5211,IF(CYP2C9="*1/*3",0.9357,IF(CYP2C9="*2/*2",1.0616,IF(CYP2C9="*2/*3",1.9206,IF(CYP2C9="*3/*3",2.3312,IF(CYP2C9="U",0.2188,IF(CYP2C9="*1/*1",0)))))))-IF(Race="A",0.1092,IF(Race="B",0.276,IF(Race="C",0,IF(Race="U",0.1032))))+IF(EnzymeInducer="Y",1.1816,IF(EnzymeInducer="N",0))-IF(Amiodarone="Y",0.5503,IF(Amiodarone="N",0)))^2,0)
(訳者による表現の変更あり。遺伝子多型と人種は太字で表した)

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