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Circulation誌から
院外心停止者の生存率が有意改善、ウツタイン大阪Project
さらなる改善には心臓マッサージのみの蘇生術普及がカギに

2009/02/12
山川 里香=医学記者

 大阪府下の院外心停止患者(OHCA)に対する心肺蘇生の救命効果を疫学的に分析している前向きコホート研究、「ウツタイン大阪プロジェクト」8年8カ月のデータが、Circulation誌2月10日号に発表された。観察期間を通じ、1カ月後生存率、神経学的に正常な1カ月後生存率が有意に改善していることが分かった。

 評価対象は、98年5月1日~2006年12月31日に大阪府下でCPRを試みた成人のOHCA4万2873例のうち、心原性でバイスタンダー(居合わせた人)による目撃ありという条件を満たす8782例。救急隊到着時の状態は、無脈性心室頻脈を含む心室細動(VF)1733例(20%)、無脈性電気活動(PEA)2167例(25%)、心静止4789例(55%)、不明93例だった。

 主要アウトカム評価指標は神経学的に正常な1カ月後生存率(Cerebral Performance Category scale 1/2)、二次アウトカム評価指標は自発循環再開、入院、1カ月後生存率とした。

 研究期間中に平均年齢は68歳から72歳に上昇、救急隊到着時のVF例は16%から25%へ、バイスタンダーによるCPR例は19%から36%へ増加(いずれもP for trend<0.001)、男女比は約5:3で変化なし(p for trend=0.53)だった。バイスタンダーによるCPRの40%超が、胸部圧迫(心臓マッサージ)のみだった。

 要した時間の中央値は、意識消失から通報までが4分(四分位範囲[IQR]:2-11)から2分(IQR:1-5、P for trend=0.02)へ、CPR開始までが9分(IQR:5-13)から7分(IQR:3-11、p for trend<0.001)へ、除細動までが19分(IQR:13-22)から9分(IQR:7-12、p for trend<0.001)へと、有意に短縮した。挿管までは25分で変化はなかったが、救急救命士が現場で挿管した場合は15分(353例、IQR:12-20)だった。

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