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N Engl J Med誌から
圧ワイヤーでPCIのアウトカムとコストを改善
冠血流予備量比によるステント挿入判定は血管造影単独より有用

 薬剤溶出ステントDES)の出現で多枝冠動脈疾患に対するカテーテルインターベンション(PCI)の頻度が増え、コストの問題や晩期合併症の問題などから、DESの適切な適応判定が極めて重要な問題となっている。

 オランダCatharina病院のToninoらは、DES(Endeavor、Cypher、Taxus)留置の適応判定に際し、血管造影単独と、血管造影に冠血流予備量比FFR)測定を併用する方法とを対比した結果を、N Engl J Med誌1月15日号に報告した。対象は、欧州と米国の20施設で多枝冠動脈疾患のためPCIが必要と判断された1005例。

 FFRは、最大冠拡張時に本来流れるべき血流が狭窄病変によりどの程度障害されているかを示す指標で、最大冠拡張時の狭窄遠位部圧/近位部圧の比で近似される。これまでに冠動脈狭窄度との間の良好な相関が報告されており、心筋虚血に対して当該冠動脈病変がどの程度関与しているかを示す指標として、0.80以下は有意な低下と見なされる。

 本研究ではPCI候補病変をまず血管造影所見に基づいて同定し、血管造影単独群かFFR併用群に無作為に割り当てた。FFRはRadi Medical Systems社の圧ガイドワイヤーを用いて、アデノシン静注下での最大冠拡張時に計測した。

 血管造影単独群では血管造影所見に基づき、FFR併用群では0.80以下でステント適応とした。主要エンドポイントは1年間の追跡中での死亡率、非致死的心筋梗塞、再血管再建術の必要性の複合とした。

 患者あたりの平均(±標準偏差)ステント該当病変数は、血管造影単独群が2.7±0.9、FFR併用群が2.8±1.0(p=0.34)と同等だったが、ステント使用数は2.7±1.2対1.9±1.3で、有意にFFR併用群が少なかった(p<0.001)。

 よって使用材料費も、血管造影単独群の6007±2819ドルに対し、FFR併用群では5332±3261ドルと、有意に安く済んだ(p<0.001)。FFRを併用しても処理時間は長くはならず(70±44分 対 71±43分、p=0.51)、使用造影剤の量は有意に少なかった(302±127mL 対272±133mL、p<0.001)。

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