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Circulation誌から
血栓の形成時期がST上昇型心筋梗塞の予後と関連
PCI時に吸引された古い血栓は独立した予後予測因子に

 ST上昇型心筋梗塞STEMI)でPCI時に血栓吸引術を実施した患者において血栓の形成時期と予後の関係を調べたところ、形成後1日以上たった古い血栓が見つかった患者では、1日未満の新鮮な血栓のみの患者に比べて死亡率が高いことがわかった。古い血栓の存在は、STEMIの独立した予後予測因子だった。この結果はCirculation誌10月28日号に掲載された。

 STEMIに対するPCIでは、病変より遠位部の塞栓症などを防ぐために血栓吸引術が一般的に行われるようになり、その有用性を示すエビデンスも蓄積されてきている。一方、吸引された血栓を組織学的に検討すると、STEMI発症12時間以内の患者でも血栓が1日以上たっているケースが50%に上り、プラーク破裂と冠動脈閉塞の間にはタイムラグがあることが分かってきた。

 そこで、オランダのアムステルダム大学のMiranda C.A. Kramer氏らは、同大学病院でPCIを受けた多数のSTEMI患者を対象とした前向きコホート研究を実施し、血栓の形成時期と累積死亡率の関連について調べた。

 対象は2001年8月から2007年10月までにSTEMIと診断され、初回PCIを受けた全患者1315例。吸引された血栓の状態によって、形成後1日以内の新鮮な血栓の患者群(552例)と、1日以上経過した古い血栓の患者群(372例)とに分けた。組織学的には、新鮮血栓は層状構造が保たれ血球細胞が見られるのに対し、1~5日たった血栓では溶解により均質化され、5日以上たつと器質化所見が認められる。

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