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Circulation誌から
CABG後1カ月以内のスタチン投与が予後を改善
メディケア対象者7503例の後ろ向きコホート試験より

2008/11/14
木次 佳太=医学ライター

 冠動脈バイパス移植CABG)は、虚血性心疾患の有効な治療法だが、その長期予後においては、冠動脈の新たな部位や移植した静脈グラフトに発生するアテローム性動脈硬化が問題となっている。

 CABG前後のスタチン投与に関しては、術前投与による周術期の臨床経過の改善や、遠隔期投与による予後の改善が認められており、CABG後にスタチンを使用することがAmerican Heart Associationなどのガイドラインで推奨されている。1997年に、CABG後にスタチンを投与する大規模なランダム化臨床試験の結果が発表されたが、当時のCABG患者群に比べると現在の患者はより高齢で合併症が多く、女性も多いなどの点でプロフィールが異なっている。さらに同試験では、55%の患者がCABG後5年以上経過してからスタチンを投与されていたことから、移植した静脈グラフトの動脈硬化性変化が投与開始時で既に進行していた可能性がある。

 これらを背景に、CABG後1カ月以内のスタチン投与の効果を検討する後ろ向きコホート研究が実施され、予後の改善をみたという報告が、Circulation誌10月28日号に掲載された。

 患者はCABGを受けたメディケア対象者(年齢65歳以上)で、病院や薬局の請求データを利用して収集された。CABGを受けた7503例中、退院後1カ月以内にスタチンの処方を受けた群(1745例)と受けなかった群(5788例)で、全死亡および主要有害心イベント(MACE)を主要アウトカムとして比較検討した。多変量解析にはCoxの比例ハザードモデルを用いた。

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