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Ann Intern Med誌から
運動負荷時、右脚ブロックタイプの心室性不整脈に注意
2925例を平均23.6カ月追跡したコホート研究からの知見

 運動負荷試験で観察される運動誘発性心室性不整脈(EIVA)の予後予測性については、意見の一致をみていない。EIVAが冠動脈疾患や臨床転帰不良と関連するとの報告は既にある。しかし、明らかな心疾患がなければEIVAは短期の予後不良を意味しないという報告がある一方、EIVAの中で繰り返すタイプのもの(2連発・非持続性心室頻拍)は冠動脈疾患リスクを制御しても、長期においては死亡リスクになるという報告もある。さらに運動中ではなく回復期における心室性不整脈についても、同様に相反する報告がなされている。Framingham Offspring StudyではEIVAは総死亡と関連していたが、FrolkisらやO'Neillらの研究では、運動中ではなく回復期の不整脈が独立に総死亡と関連していた。

 健常者の右室流出路(RVOT)に由来し、下方軸の左脚ブロック(LBBB)パターンをとる特発性の心室性不整脈が混乱の元凶と思われる。LBBBパターンをとるRVOT起源不整脈は右室心疾患に伴うこともあるが、通常は良性である。

 今回、EckartらBrooke Army Medical CenterおよびBrigham and Women's Hospitalなどの研究グループは、EIVAの心電図波形上の特徴が心疾患死の予測に役立つかどうかを、2925例対象の後ろ向きコホート研究で検討し、10月7日付けのAnn Intern Med誌に報告した。

 2001~06年にBrigham and Women's Hospitalで実施された1万4000例の運動負荷試験中、オリジナルな心電図レビューが可能だったものが5682例あり、うち585例でEIVA陽性だった。これと年齢・性・危険因子がマッチするEIVA陰性症例を2340例選択した。

 研究参加者には99mTc-sestamibiの運動負荷心筋灌流イメージングを実施した。5%以上の瘢痕を心筋瘢痕(訳註:心筋線維化もしくは心筋壊死と同等)とし、心筋虚血は可逆的灌流欠損と定義した。冠動脈疾患の存在は、50%以上の冠動脈閉塞、心電図による貫壁性心筋梗塞、血行再建の病歴と定義した。患者の生死については、Social Security Death IndexおよびPartners社のLongitudinal Medical Recordにより確認した。

 マッチングにより臨床背景は均一となり、平均年齢63歳、女性28.4%、冠動脈疾患32.0%、高血圧56.5%、脂質異常症57.1%、糖尿病18.4%であった。β遮断薬もしくはCa拮抗薬服用者は54.2%で、抗不整脈薬服用者は3.2%だった。

 運動負荷検査の87.8%が虚血の診断目的、2.3%が心筋症の機能評価、0.27%(訳註:原著では2.7%とあるが明らかな計算間違い)が弁膜症の機能評価、0.1%が治験であり、不整脈診断目的自体は9.5%だった。EIVA症例では担当医により早期に運動負荷試験が中断されやすい傾向にあったが、ダブルプロダクトはEIVA群・EIVAなし群間で差がなかった。

 

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