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J Am Coll Cardiol誌から
潜在性甲状腺機能低下症でも心不全のリスクは高い
65歳以上の高齢者約3000例の長期追跡調査で明らかに

 65歳以上の高齢者を対象に、潜在性甲状腺機能異常症心不全との関連を長期間にわたって調査したところ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が10.0mU/L以上の潜在性甲状腺機能低下症を呈する高齢者は心不全のリスクが高いことが明らかになった。この結果はJ Am Coll Cardiol誌10月9日号に掲載された。

 FT4(free thyroxine)が正常域にありTSHのみが異常値を示す潜在性甲状腺機能異常症はまれではなく、高齢者では潜在性甲状腺機能低下症は10%に上る。明らかな甲状腺機能異常症では心機能に影響があり、潜在性でも心不全発生のリスクとなるという結果が報告されているが、長期データはほとんど存在しなかった。

 スイス・ローザンヌ大、米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究者らは、米国在住の65歳以上の男女5888例が参加して行われたCardiovascular Health Study(CHS)のデータを利用して、潜在性甲状腺機能異常症と心不全発生リスクについて長期間の追跡調査を行った。

 対象は、CHSの参加者のうち65歳以上で、ベースラインで臨床的に明らかな甲状腺機能異常がなく、心不全を認めない3044例。そのうち、潜在性甲状腺機能低下症を認めたのは474例であり、TSH値4.5~9.9mU/Lの中等度上昇群(428例)と、10.0mU/L以上の著明な上昇群(46例)に分けて検討した。なお、潜在性甲状腺機能亢進症は44例、残りの2526例は正常であった。

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