日経メディカルのロゴ画像

J Am Coll Cardiol誌から
高血圧患者の心不全1次予防としてのβ遮断薬
効果は他降圧薬と同等。脳卒中の増加から、高齢者では第1選択にならず

 フラミンガム研究によれば高血圧心不全発症の大きなリスクで、男性の心不全の39%、女性では59%が高血圧に起因するとされる。高血圧により心不全発症リスクは2倍となるが、これはすべての危険因子の中で最も大きなリスクであり、なおかつ血圧の上昇に比例してリスクは増加する。しかも、心不全患者の9割は高血圧である。ACC/AHAガイドラインでも、高血圧をリスクとして有する無症候心不全(ステージA)の集団は、顕性心不全(ステージC)の1次予防が重要であると指摘している。

 高血圧治療により、心不全発症リスクは49~81%も減少する。ACC/AHAガイドラインは心不全発症リスクに対して血圧の管理を要求し、β遮断薬はJNC7に基づく選択肢であるとしている。確かにβ遮断薬は、心筋梗塞に起因するステージB心不全(左室機能障害があってもまだ無症候)患者には妥当な選択であるが、心肥大に起因するステージB心不全や高血圧に起因するステージA心不全に対する同薬の効果についてはエビデンスがない。そこでBamgaloreら米国コロンビア大の研究グループは、高血圧患者においてβ遮断薬が心不全発症を阻止するか、メタ解析による評価を9月23日付けのJ Am Coll Cardiol誌に報告した。

 MEDLINE、EMBASE、CENTRALをデータベースとして使用し、1966から2008年までの、高血圧にβ遮断薬を投与した805の無作為化臨床試験(RCT)を抽出した。心不全を合併していない成人高血圧患者に対するRCTで、β遮断薬を単独の第1選択薬として(対プラセボ試験)、あるいは比較薬として(他の降圧薬との比較試験)使用し、最低1年間の追跡期間があり、1次もしくは2次アウトカムとして心不全発症を評価した12試験を最終的に解析した。

この記事を読んでいる人におすすめ