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NEJM誌から
スタチン使用に伴うミオパチーと相関するSNP
事前の検査でハイリスク者を同定できる可能性

 HMG-CoA還元酵素阻害薬スタチン)の副作用であるミオパチーは、第12番染色体に存在するSLCOB1遺伝子の一塩基多型SNP)と強い相関があるという研究結果が明らかになった。New England Journal of Medicine誌のウェブサイトで7月23日に公開された。

 スタチンは高コレステロール血症の治療薬として広く使われているが、副作用としてクレアチンキナーゼ上昇を伴う筋肉痛や筋力低下(ミオパチー)が起こり、筋細胞の破壊やミオグロビンの放出を伴う横紋筋融解症へと進行することがある。

 これまでの研究で、ミオパチーと遺伝子変異の関係が注目されてきたが、原因遺伝子の特定には至っていなかった。今回の発見は、SLCOB1遺伝子の遺伝子型を判定することにより、ミオパチーの発生リスクの高い患者を事前に同定し、スタチンの安全性をさらに高めることにつながる可能性がある。

 今回、英国オックスフォード大などの研究グループは、こうした背景から、SEARCH(Study of Additional Reduction in Cholesterol and Homocysteine)と命名された大規模な前向きランダム化試験の被験者のうち、高用量(80mg/日)のシンバスタチンを服用中にミオパチーを発症した患者85人を対象として、ミオパチーの発生と相関性の高い遺伝子を探索するためのゲノムワイド相関解析を実施した。

 なお、SEARCHは心筋梗塞の既往のある患者1万2064人を対象として、低用量(20mg/日)と高用量(80mg/日)のシンバスタチンの効果と副作用を比較する目的で、現在進行中の臨床試験である。

 その結果、遺伝子解析に用いた30万種類に及ぶマーカーのうち、第12番染色体上のSlCO1B1遺伝子のイントロンに存在するrs436357と呼ばれるSNPが、スタチン使用に伴うミオパチーと強い相関があることが明らかになった。さらに、rs436357の近傍の配列を詳細に解析したところ、rs436357と極めて関連性の高い、いわゆる連鎖不均衡の関係にあるrs419056というSNPが蛋白コード部分に見付かった。

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