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Circ J誌から
J-LIT Extension 10のデータまとまる
10年間の追跡で低用量スタチンの有効性と安全性を確認

 J-LIT(Japan Lipid Intervention Trial)の追跡期間を4年間延長し、承諾が得られた1万9905人を計10年間追跡してシンバスタチンの有効性と安全性を検討したJ-LIT Extension 10の結果がまとまった。10年間の追跡期間中、血清脂質値は良好にコントロールされ、主要冠動脈イベント(1次予防)は0.90/1000人・年、副作用の発現頻度は1.46%で横紋筋融解症は報告なしといった、日本人におけるデータが明らかになった。詳細はCirculation Journal 誌8月号に掲載された。

 脂質異常症治療における、わが国を代表する大規模前向き研究と位置付けられているJ-LIT。同試験では1992~93年に、35~70歳の男性および70歳未満の閉経後女性で、総コレステロール(TC)値が220mg/dL以上の患者5万1321人を登録、シンバスタチン5~10mg/日を投与した。主要評価項目は、急性心筋梗塞心臓突然死を含む主要冠動脈イベントとした。

 J-LITの患者の平均年齢は57.9歳、男性が33.2%を占め、冠動脈疾患の既往が9.8%、高血圧が45.2%、糖尿病が15.3%だった。投与開始前のTC値は平均269mg/dL、LDLコレステロール(LDL-C)値が182mg/dL、中性脂肪(TG)値が196mg/dL、HDLコレステロール(HDL-C)値は52.6mg/dLだった。また、実際のシンバスタチン用量は、5mg/日が96.4%と大半を占めた。

 J-LIT終了時の6年後と延長期間終了時の10年後の平均血清脂質値を比べると、TCは217mg/dL→215mg/dL(6年後→10年後、以下同様)、LDL-Cは129mg/dL→126mg/dL、TGは155mg/dL→147mg/dL、HDL-C値は58.1mg/dL→59.9 mg/dLと良好にコントロールされていた。

 副作用は、J-LITによる6年間では3.25%、延長した4年間では1.46%だった。スタチンの副作用として知られる横紋筋融解症は1例も認められなかった。研究グループによれば、投与されたシンバスタチンの用量は欧米で使用されている量の4分の1程度であり、「副作用の発生頻度が低かったのは低用量によるもの」としている。

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