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NEJM誌から
PCI時のシクロスポリン投与で梗塞サイズが縮小
ミトコンドリアの機能不全などを同薬が抑制する可能性

 急性心筋梗塞に対して経皮的冠動脈形成術PCI)を実施する際、シクロスポリンを静注すると心筋障害が軽減し、梗塞サイズも小さくなるという知見が得られた。これは仏で実施された小規模パイロットスタディーによるもの。NEJM7月31日号に掲載された。

 心筋梗塞では、梗塞サイズと死亡率の間に強い相関がある。現在のところ、梗塞サイズを小さくするために最も有効な治療法は再灌流療法だが、程度の差はあれ再灌流時には不可逆的な心筋障害である再灌流障害が起こる。

 再灌流障害の主な原因としてフリーラジカルの過剰生成が知られている。さらに、ミトコンドリア内膜に存在するmitochondrial permeability-transition poresが開口し、ミトコンドリアの機能不全やアポトーシスが誘発され、これが心筋細胞死の一因になると考えられている。

 シクロスポリンにはmitochondrial permeability-transition poresの開口を防ぐ作用があり、著者らはPCI時のシクロスポリン投与によって再灌流障害が軽減されるのではないかと予想した。

 この研究にはArnaud de Villeneuve病院など仏の3施設が参加し、単盲検法によるランダム化前向き試験を実施した。対象は、心筋梗塞で入院した340例中、胸痛が出現し心電図上ST上昇が認められ、12時間以内にPCIを施行した58例。

 梗塞サイズは、クレアチンキナーゼ(CK)およびトロポニンIの血中濃度、さらに第5病日における心臓MRIでの高輝度部分の面積で評価した。CKおよびトロポニンIは入院時から3日間、繰り返し測定した。

 シクロスポリン群30例に対しては、冠動脈造影が終了した後、ステント留置前の10分以内に、体重1kg当たり2.5mgのシクロスポリンをワンショット静注した。対照群28例には同量の生理食塩水を静注した。

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