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NEJM誌から
急性心原性肺水腫に対する非侵襲的な人工換気法
開始直後の呼吸状態は改善するが死亡率は低減せず

 急性心原性肺水腫の患者に対して、フェイスマスクによる通常の酸素投与と、CPAP持続陽圧呼吸法)またはNIPPV非侵襲的間欠的陽圧換気法)による非侵襲的な人工換気法を比較したところ、非侵襲的な人工換気法では開始1時間後の呼吸困難感、心拍数、アシドーシス、高炭酸ガス血症にはより有効であったが、7日以内の死亡率および気管内挿管の実施率には有意な効果がみられなかった。英国の多施設での前向きランダム化無作為対照試験によるこの結果は、New England Journal of Medicine誌7月14日号に掲載された。

 急性心原性肺水腫は緊急入院を要する最も主要な疾患であり、米国でのデータでは入院件数は年間100万件に上る。死亡率は10~20%と高く、特に急性心筋梗塞による急性肺水腫で高率である。初期治療に反応しない患者では気管内挿管による人工呼吸が必要になるが、これには合併症のリスクがあり、非侵襲的な人工換気法によって心肺機能が改善し気管内挿管率が下がることが期待されていた。この点についてこれまでにいくつかの試験が実施されたが、いずれも小規模なものであり、確定的な結論は得られていなかった。

 今回の大規模試験はthe Three Interventions in Cardiogenic Pulmonary Oedema(3CPO)trialと名付けられ、英国の救急診療部26施設が参加して2003年7月から2007年4月まで実施された。対象としたのは、胸部X線で肺水腫が認められ、呼吸数が毎分20回以上かつ動脈血pHが7.35未満である16歳以上の患者1069人。平均年齢は77.7±9.7歳で、女性が56.9%を占めていた。フェイスマスクによる通常の酸素投与(367人)、CPAP(346人)、NIPPV(356人)の3群に分けて比較検討した。CPAPおよびNIPPVは、フルフェイスマスクを使用して人工換気を行った。

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