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JEJM誌から
マルファン症候群の大動脈拡張をARBが抑制
少数例の研究ながら根治療法になる可能性を秘める

2008/07/14
中村 克也=医学ライター

 マルファン症候群の小児患者に対するアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)の投与が大動脈拡張の抑制に有効であるという、小規模研究の成績が明らかになった。この結果は、New England Journal of Medicine誌6月26日号に掲載された。

 マルファン症候群は、クモ指、長い四肢、水晶体転位、血管障害などを特徴とする常染色体優性の遺伝性疾患。中でも、徐々に進行する大動脈起始部(aortic root)の拡張は、最終的に大動脈解離や大動脈瘤破裂を招き、患者の多くが30~40歳代で死亡する主な原因となっている。

 最近、マウスモデルを用いた研究で、本症の大動脈起始部の拡張はTGFβ(transforming growth factor β)によるシグナル伝達の亢進に起因することが示唆されており、その阻害薬であるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の投与によって拡張速度が低下することが示されている。

 こうした背景から、米国McKusick-Nathans Institute of Genetic MedicineのBenjamin S. Brooke氏ら、米国Johns Hopkins医科大学などの研究グループは、マルファン症候群の小児患者の大動脈拡張に対するARBの効果を評価した。

 対象は、大動脈起始部に既に高度の拡張が認められ、他の薬物療法が有効でなかった14カ月齢~16歳の小児患者18例。これらの患者に対してARB(ロサルタン17例、イルベサルタン1例)を12~47カ月間投与し、投与開始前後の大動脈起始部の直径の変化速度を比較した。

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