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NEJM誌から
心不全患者の心房細動、その治療方針は? AF-CHF試験
リズムコントロールでもレートコントロールでも心血管死は変わらず

 心房細動を合併する心不全患者において、洞調律維持治療と心拍数調節治療を比較した多施設無作為化比較試験「AF-CHF試験」で、洞調律維持治療は心血管死の抑制効果において、心拍数調節治療を上回らないことが明らかになった。この結果は、New England Journal of Medicine 6月19日号に掲載された。

 心不全患者において心房細動が合併する割合は10~50%とされ、心不全と心房細動が合併すると心血管死のリスクが高まるといわれている。心房細動の治療には、心房細動の停止および再発予防を目的とした洞調律維持(リズムコントロール)治療と、心房細動はそのままに心拍数だけを調節する心拍数調節(レートコントロール)治療があるが、心不全患者において、心房細動の抑制が生命予後を改善するか否かについては結論がでていない。

 そこで、AF-CHF試験(Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure trial)では、心房細動とうっ血性心不全を合併した患者を対象に、洞調律維持治療を行う群(リズム群)と心拍数調節治療を行う群(レート群)に無作為に割り付けて比較した。一次エンドポイントは心血管疾患による死亡、二次エンドポイントは全死亡、脳卒中、うっ血性心不全の増悪、入院などとした。

 対象は、左室駆出率(LVEF)が35%以下で、うっ血性心不全の症状を呈し、過去6カ月以内に6時間以上の持続した心房細動があった患者、あるいは6カ月以内に10分間以上の持続した心房細動があり、電気的除細動を受けた患者とした。

 リズム群には、アミオダロンを中心としたクラスIII群抗不整脈薬が投与され、必要に応じて電気的除細動が行われた。レート群では、β遮断薬を投与し、必要に応じて房室結節アブレーションペースメーカー治療を行った。また、すべての患者に心不全に対する治療として、ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、さらにβ遮断薬が投与され、抗凝固療法も行われた。

 2001年5月から2005年6月までに、10カ国123施設の患者1376人が登録された。平均年齢はリズム群(682人)が66歳、レート群(694人)が67歳で、うち男性はそれぞれ78%、85%だった。NYHA分類III~IV度がそれぞれ32%、31%で、LVEFは両群とも27%、心房細動のうち持続性心房細動の患者が67%、70%を占めた。冠動脈疾患の既往はともに48%、高血圧の合併はそれぞれ49%、46%、糖尿病は22%、20%と、患者背景は両群間でほぼ一致していた。

 使用された薬剤は、12カ月の時点で、リズム群ではアミオダロンが患者の82%に使用されており、ソタロールが2%、dofetilideが1%未満だった。β遮断薬はリズム群で80%、レート群で88%、ジゴキシンはそれぞれ51%、75%の患者で使用されていた。ACE阻害薬あるいはARBを使用していた患者は両群とも94%を占め、経口抗凝固薬はリズム群で88%、レート群で92%だった。

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