日経メディカルのロゴ画像

その食事指導間違っています
「心血管病変予防のために肉を避けてください」

2015/02/05

 現在まで心血管病変予防のための食事パターンは、全粒穀物+野菜、果物+魚摂取であることを述べました(2009.6.23)。一方で、マーガリン推奨、オリーブ油以外の植物油摂取の推奨は、生存率を悪化させる間違った食事指導であることを述べました(2013.3.4)。では従来の「肉は心血管病変予防のためにあまり食べないように」という食事指導は正しいのでしょうか?  疫学研究により、その答えが徐々に明らかになってきました。

飽和脂肪酸と冠動脈疾患のメタ解析
 肉の悪いイメージは、飽和脂肪酸を多く含んだ食事が動脈硬化を促進するのではないかという懸念から来ています。しかし昨年、冠動脈病変と脂肪酸のメタ解析 (Ann Intern Med 2014;160:398-406)が発表されたのですが、その結果は飽和脂肪酸摂取と冠動脈疾患のハザード比とは無関係というものでした。図1のようにsaturated fatty acids(飽和脂肪酸)は冠動脈疾患のハザード比に関与しておらず、EPA, DHAなどのlong-chain ω-3不飽和脂肪酸はハザード比を低下させ、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸はハザード比を上昇させています。同様の結果はArterioscler Thromb Vasc Biol (2014;34:2679-2687)にも報告されています。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

この記事を読んでいる人におすすめ