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急性心不全の薬剤治療(その1)
急性心不全の論文を読むときの注意点

2014/04/16

 今回からはシリーズで急性心不全の薬剤治療について過去の論文も含めて簡単にレビューしてみます。まず、急性心不全の論文を読むときの注意点について取り上げます。以降、点滴強心薬、血管拡張薬、利尿薬について考察したいと思います。

指標は心血管イベント(真の指標)か代理指標か

 心不全の患者に対する治療の評価を行う場合のゴールドスタンダードは死亡などの心血管イベントですが、その解析のためには症例数を集めないと解析が困難なため、代理指標としていろいろなものが検討されています。

 従来は血行動態の改善がゴールドスタンダードの時代もあり、肺動脈楔入圧の低下が代理指標として主流でした。しかし、患者自身は主に呼吸困難、浮腫といううっ血症状を主訴に受診することより、これらをスケール化して指標にすることが欧米の多施設試験では広く行われています。最近では、心血管イベントに次ぐ代理指標は、自覚症状、他覚所見の改善と考えられており、肺動脈楔入圧、BNPなどの代理指標はその下位の指標とされています(Eur J Heart Fail 2013;15:1082-1094)。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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