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心房細動を伴った心不全患者の治療、見えてきた今後の方向性

2014/01/07

 慢性心不全患者において心房細動の合併は多く、30%以上に認められます。心不全が悪化して心房細動を合併したのか、心房細動が最初に生じて心不全になったのか臨床的には判断しにくい症例も多いのですが、心房細動は予後も悪化させることが分かっています。特に、(1)血栓塞栓症が発生しやすく、(2)心不全悪化も生じやすくなりますので、抗凝固療法と心不全の基本治療(ACE阻害薬またはARBとβ遮断薬)は必須治療薬です。今回は、心房細動を伴った心不全患者の治療において見えてきた今後の方向性について考えたいと思います。

心不全患者におけるリズムコントロール vs.レートコントロール

 そもそもは心房細動患者では「リズムコントロール vs.レートコントロール」という論点がありましたが、EF35%以下の慢性心不全を合併した心房細動については、両群間に死亡、脳卒中に有意差は認めませんでした(N Engl J Med 2008;358:2667-2677)。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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