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最近の高感度トロポニン測定系はここまですごい【心筋疾患編】 

2012/10/22

 急性心筋梗塞のバイオマーカーとして登場してきたトロポニンが、心不全や一般住民、高血圧の領域でもリスク評価に使用可能なことを3回にわたって述べました。今回は、その他の心筋疾患における報告をまとめます。なお、全4回のシリーズの内容は、「Sato Y. Cardiac troponin and heart failure in the era of high-sensitivity assays. J Cardiol 2012;60:160-167」で詳しく解説しております。

肥大型心筋症
 2003年、われわれは肥大型心筋症においてトロポニン高値患者(全体の約半数)は経過中に壁厚減少をきたし、収縮能も低下することを報告しました(Heart 2003;89:659-660)。最近Morenoらはhs-TnT 0.014ng/mL以上の数値が肥大型心筋症患者の42%で観察され、壁厚、左房径、左室流出路圧格差との相関が認められることを報告しています(J Card Fail 2010;16:950-956)。KuboらもTnIを用いて壁厚との相関を報告し(Clin Cardiol 2010;33:E1-7)、高値患者は予後不良であることも報告しています(Circ J 2011;75:919-926、図1)。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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