これまで、多職種介入の心不全治療システムについて述べてきました。今回からしばらくは、生活指導についてまとめたいと思います。
生活指導は塩分、水分、旅行、入浴など多岐にわたりますが、患者さんが最も知りたいことである一方、エビデンスがなく答えに困ることもしばしばあります。今回は、その中でも皆の関心が高く、既にデータが報告されている入浴についてまとめてみます。
風呂に入るという習慣は日本人にとっては基本的なことであり、温泉情報が氾濫していることからも、その関心の高さがうかがえます。これに対して欧米ではシャワー浴が大半なので、入浴に関するエビデンスはありません。むしろ、心不全患者に対する入浴は血行動態を悪化させるのではないかと考えられた時代もありました。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
著者プロフィール
佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介
佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。
この連載のバックナンバー
-
2016/04/26
-
2016/02/05
-
2016/01/12
-
2015/10/05
-
2015/02/05