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心不全のチーム医療・病診連携への試行錯誤●その10
禁煙ならびに受動喫煙の規制の必要性

2011/10/11

 たばこは以前から、肺癌や肺気腫の原因となることがよく知られていました。これに加えて近年では、心疾患脳卒中大動脈瘤閉塞性動脈硬化症との強い関連も指摘されています。これらの疾患のたばこによる悪化の機序は、たばこが動脈硬化の進展に関与するという慢性的な機序だけではありません。たばこの煙に含まれる有害物質による末梢血管の収縮や血圧上昇、心拍上昇を介した血管内皮機能障害・血小板凝集能亢進により心筋梗塞に至るという、急性的なものも考えられています。

 今回は、禁煙により、循環器疾患ではどのような効果が期待できるかについて考えてみましょう。

 2次予防として、急性心筋梗塞後の患者において、禁煙が心筋梗塞再発や死亡を抑制することが報告されています。心不全についても、ACE阻害薬エナラプリルの効果を検討したSOLVD(Studies of Left Ventricular Dysfunction Treatment Trial)[1, 2]の喫煙についてのサブ解析結果において、同様の結果が報告されています[3]。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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