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心不全のチーム医療・病診連携構築への試行錯誤●その5
心不全の終末期医療を考える
循環器疾患における緩和ケアやホスピスとは

2011/04/12

 心不全チーム医療を考えるに当たって、終末期医療はどうしても外せない部分です。現状ではほとんどの心不全患者さんが病院でお亡くなりになるのですが、今後患者数の増加が予想され、在宅での看取りなどの機会も増えると思われます。そうすると癌の領域でもそうですが、palliative care緩和ケア)も重要になってきます。

 最近、心不全における緩和ケアについて、有名誌に総論が続けて出版されています [1-3]。

 心不全における緩和ケアは、末期患者を対象に(1)症状を緩和し、(2)安心、満足感を与え、(3)患者、社会のコストを軽減する――などを同時に考えることだと思われます。ただし、心不全の場合、心臓移植などの先進医療を受けられない患者が対象になるので、その判定を誰がどのタイミングで行うか、非常に難しい問題を内在しています。また、必ずガイドライン推奨治療を十分に行った上で検討すべきです。

 心不全の緩和ケアの具体的目標としては、標準治療では改善されない(1)呼吸困難、(2)不安、抑うつ、(3)心臓悪液質、(4)痛み――などを軽減することを目的とします。末期重症心不全と診断されて、あるときから突然、緩和ケアに移行するのではなく、末期では通常の予後を改善させる治療と並行して、考える必要があります(図1)。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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