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外来点滴は「入院回避」に有効か その2
延べ400回の経験で分かってきた外来点滴のキモ

2009/02/23

 最新の欧州心臓学会(ESC)の「慢性心不全急性心不全の診断と治療ガイドライン」では初めて、急性心不全と慢性心不全とが連続した病態と捉えられ、同時に掲載されました1)。実際の臨床現場でも、急性心不全患者の80%ほどは慢性心不全の悪化による再入院です。ですから、どのように慢性心不全患者の急性悪化を予防し、急性心不全による入院を未然に防ぐかは大きな課題です。その解決策の1つとして、外来点滴の可能性を昨年8月の本ブログ「外来点滴は『入院回避』に有効か?」で述べました。

 われわれの施設では15年ほど前から、約30症例の末期心不全患者に対して、延べ400回ほどの外来点滴を行ってきました。そのデータは学会、研究会など多くの場で発表させていただいていますが、点滴中の有害事象、家族とのトラブルは1例も経験しておらず、入院日数、入院回数、医療費の削減が見られるので(図1)、患者さんからも感謝されています2)。他施設の医師から質問を受けることが多いので、今回はよくあるご質問にお答えしながら、当院の外来点滴について述べてみたいと思います。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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