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生化学指標の最新事情 その2
心筋梗塞、入院時でも感度70%以上で診断可能

2009/02/13
小田修司

 1月9日に本ブログに掲載した「生化学指標の最新事情」がたいへん好評でしたので、今回はその中で軽く触れた高感度トロポニン測定系について詳しく述べてみたいと思います。

高感度測定系とは
 心筋トロポニン測定系そのものについて若干、説明しましょう。現在、心筋トロポニンT、Iの測定は心筋梗塞の診断に用いる生化学指標として第1選択となっています。市販の各測定試薬での、急性心筋梗塞の診断基準値はそれぞれの測定試薬における「健常者の99パーセンタイル値」とされており、「健常者の99パーセンタイル値におけるCV(Coefficient of Variation:変動係数)が10%以下」である測定試薬が、「ESC/ACC急性心筋梗塞の診断基準」でも推奨されてきました。

 CVというのは数値の相対的な散らばりを表す指標であり、[変動係数(CV) =標準偏差(SD)÷平均値(mean)x 100(%)]で計算されます。この値が小さいほど検査の精度が高いといえます。一般的には図1のように、トロポニン値が低値になれば、数値の散らばりは大きくなるのでCVが大きくなります。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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