今回は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の登場から10数年ぶりとなる新しいカテゴリーの降圧薬、レニン阻害薬「アリスキレン」の降圧作用についてまとめてみたいと思います。
レニン阻害薬はレニン・アンジオテンシン系カスケードの上流で働くレニンの活性を直接阻害して、アンジオテンシンの合成を抑制します。アリスキレンは2007年3月米食品医薬品局(FDA)で承認された、世界初のレニン阻害薬であり、日本では現在、承認申請中です。
アリスキレンに関する最新の報告は、Circulation誌に掲載されたアリスキレン300mg/日投与と降圧利尿薬ヒドロクロロチアジド25mg/日投与の比較でしょう1)。プロトコールは図1に示すようなものでした。
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著者プロフィール
佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介
佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。
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