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第31回日本高血圧学会総会に参加して
利尿薬の位置づけが上がってきた

2008/10/15

 札幌医科大学の島本和明先生を会長として開かれた、第31回日本高血圧学会総会(会場:ロイトン札幌)へ行ってきました。私自身は心不全が専門ですが、やはり心不全の上流にある高血圧も勉強しなくてはと考えたことに加え、来年「高血圧治療ガイドライン」が5年ぶりに改定されるので、関連のシンポジウムからその動向を知りたかったので参加を決めました。

 学会は10月9日(木曜)から11日(土曜)まで3日間開催されました。初日の札幌は小雨が降っており結構寒かったのですが、最初からどのセッションもたいへん盛況でした。

 私は臨床の内容を中心に聞いたのですが、今回から教育セッションという企画も設けられていました。高血圧は心臓、腎臓、脳卒中、糖尿病とも密接に関連する病態なので、各領域の専門家の講義を30分ずつ、合計12講義も聞けるように配慮してあり、私のような高血圧初心者には嬉しい限りでした。

 心不全の世界では著明な教授陣も特別講演座長、特別講演演者として、ご出席されていました。学会として、教育配慮、臨床重視、関連学会との連携を重視する方向性が強く感じられました。

 また、「高血圧から身を守る」というタイトルの市民公開講座や、医療、保健指導関係者を対象とした特別公開セミナー「特定検診、保健指導の実績をあげる攻略法」、シンポジウムとして、「特別健康診査、特定保健指導の現状と展望」など、啓発、検診を重視した視点も充実していました。

 さらに招請講演の1つとして登山家の三浦雄一郎さんの「生きがい75歳エベレスト登頂への挑戦」が2日目の昼に開催されました。三浦さんは北海道大学獣医学部のご出身で、皆さんご存知のように世界最高峰のエベレストに世界最高齢となる70才で登頂を果たし、今年、75歳で再登頂されました。

 その三浦さんが65歳のころには過食からメタボリックシンドローム、不整脈になっていたそうです。不整脈の手術を受けながらトレーニングを5年間続け、メタボリックシンドロームを克服し、登山に復帰したことを述べられました。70歳を超えてなお、トレーニングを続け新しいことへ挑戦する姿勢に感動しました。自分もこうありたいと、勝手にあこがれてしまいました。

著者プロフィール

佐藤幸人(兵庫県立尼崎病院循環器部長)さとうゆきひと氏。 1987年京大卒。同大循環器内科入局、94年に京大大学院修了。同科病棟医長を経て、2004年から兵庫県立尼崎病院循環器内科に勤務。 07年より同科部長。研究テーマは心不全のバイオマーカーなど。

連載の紹介

佐藤幸人の「現場に活かす臨床研究」
専門の心不全だけでなく、臨床全般に興味がある。過疎地の病院での臨床経験もある。そんな佐藤氏の持論は、「医療とは患者、家族、医師、パラメディカル、メディア、企業などが皆で構成する『社会システム』だ」。最新の論文や学会報告を解説しつつ、臨床現場でそれらをどう活かすかを考える。

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