日経メディカルのロゴ画像

アンチエイジング食がHFpEFを予防する?
ビタミン薬ニコチンアミド(NAM)による心不全予防効果

2021/04/15
古川 哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所)

 高齢化の進展とともに、左室駆出率(Ejection Fraction; EF)が正常であるにもかかわらず心不全となる「HFpEF(Heart Failure with preserved EF)」が大きな課題となっています。我が国では、60歳以上の人の20%強がHFpEFだとされています。実臨床ではEFが低下したHFrEF(Heart Failure with reduced EF)の治療薬を、一応は同じ心不全ということで応用することが多いですが、それでは予後の改善につながりません。今のところ、HFpEFの有効な治療法はないのが現状です。

 そんな中、アンチエイジング治療を応用することでHFpEFの治療を目指す研究が進んでいます。このほどSci Transl Med.誌に、アンチエイジング効果が期待されているニコチンアミドを食事として摂取することで、HFpEFの改善に有効であるとの研究結果が報告されました。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

この記事を読んでいる人におすすめ