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食事のアミノ酸代謝物が心血管イベントの因子に
腸内細菌と交感神経受容体が関与

2021/01/07
古川 哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所)

 「2型糖尿病が心血管イベントのリスク因子である」ことに異論がある人はいないでしょう。では、「血糖コントロールの改善は心血管イベントを減らす」という考え方に対してはどうでしょうか?

 実は意外なことに、2型糖尿病患者における血糖コントロール状態(HbA1cなど)は心血管イベントと相関せず、また血糖を下げる糖尿病治療は心血管イベントを有意に減少させないことも報告されています(N Engl J Med. 2009;360:129-39.; JAMA. 2001;286:421-6.; Diabetologia. 2009;52:1419-25.)。すなわち、グルコース関連経路以外の代謝異常が心血管イベントに関与すると考えられるのです。少し古いですが、必須アミノ酸腸内細菌による代謝物が心血管イベントに関係するとの研究結果が、2020年3月にCell誌に報告されたのでご紹介します。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

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