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循環器医から見た「COVID-19重症患者の全ゲノム関連解析(GWAS)」
新型コロナ重症化に関わる遺伝的因子が持つ意味

2020/08/27
古川 哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所)

 2019年に中国・武漢に端を発して広まった新型コロナウイルス感染症COVID-19)は、いつ収束するのか全く見当がつきません。COVID-19の厄介なところは、
・多くが軽症あるいは無症状である一方、一部重症化する患者がいること
・軽症・無症状の患者からも感染する可能性が指摘されていること(Clin. Infect. Dis. 2020;ciaa711.[doi: 10.1093/cid/ciaa711])
といった点ではないでしょうか。

 COVID-19の死亡率には大きな地域差がありますが、平均すると5%前後とされています。基礎疾患のない健康な人での死亡率は1%以下ですが、基礎疾患を持つ人ではずっと高く、特に心疾患を有する人では10%以上というデータもあります(『日経サイエンス2020年5月号』pp.27-36.)。また、血栓症や心筋炎が原因で亡くなる患者も多く、どのような人が新型コロナウイルス感染後に重症化するのか、循環器医としては気になるところです。

 今回、イタリアとスペインで行われたCOVID-19重症患者の全ゲノム関連解析GWAS)の結果が発表されました。循環器医の視点ではどのようなことが考えられるのか、見ていきたいと思います。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

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