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線維化の「方向」をそろえれば心不全を防げる?
実は動的構造物だった“scar”が心筋梗塞後心不全の新たな治療標的に

2020/01/20
古川 哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所)

 心筋梗塞(MI)の急性期死亡率は、つい数年前までは30%を超えていましたが、再灌流療法の普及により今では6~7%にまで飛躍的に低下しました。では、これで心筋梗塞の治療は万全と言えるのでしょうか?

 現在のところは、まだ残念ながらそうとは言えないようです。というのも、急性心筋梗塞生存者に見られる心不全・突然死が新たなアンメットニーズとなってきたからです。実際、適切なタイミングで再灌流療法を行ったにもかかわらず、約25%の患者は1年以内に心不全で再入院します。また心筋梗塞後死亡の約40%は、不整脈(心室頻拍)による突然死が原因です。これらに対する有効な対策が求められています。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

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