日経メディカルのロゴ画像

睡眠が動脈硬化を予防する
交感神経活性化とは異なるメカニズムで睡眠不足が動脈硬化を誘発

2019/06/14
古川 哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
睡眠が動脈硬化を予防するの画像

 1日の睡眠時間は7~8時間が良いなどと言われていますが、米国では成人の半分がこれ以下の時間しか眠っていません。日本に至っては平均睡眠時間が6時間半と、先進国の中で最も睡眠時間が少ないとされており、7~8時間の睡眠を取れているのは成人の3分の1にも満たないのではないでしょうか。日本人の約30%が不眠症を患っているとも言われています。

 睡眠不足あるいは睡眠障害は、肥満、糖尿病、癌などとともに、心血管疾患のリスクになることが知られていますが、そのメカニズムについては良く分かっていません。今年2月のNature誌に、睡眠不足が動脈硬化を引き起こすメカニズムについての研究が発表されました。睡眠不足は交感神経を活性化するので、小生を含めてこれが関係するのではと考える人が多いかと思いますが、本論文では交感神経の活性化以外のメカニズムが関係すると結論しています。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

この記事を読んでいる人におすすめ