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心房細動を高精度に検出する仕組みの構築を目指す
スマートフォンやアップルウォッチで心房細動を検出

2018/09/05

 心房細動は、日本人の約1.5%が罹患している不整脈です。脳梗塞(心原性脳塞栓症)を合併するリスクが大きな問題です。3タイプの脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓脳梗塞、心原性脳塞栓症)の中で、心原性脳塞栓症が最も重症化します。弘前大学のデータでは、死亡・要介護/支援となる割合は、ラクナ梗塞が18%、アテローム血栓脳梗塞が25%ですが、心原性脳塞栓症は59%と高率です。

 そこで、医薬界で心房細動の脳梗塞対策が精力的に取り組まれ、直接経口抗凝固薬(DOACs)の導入により大幅に改善しました。ところが、心房細動の診断がついていない人で、心原性脳塞栓が心房細動の初発症状となる場合が一定数あります(Stroke 2017;48:490-492)。したがって、心房細動を高精度に検出する仕組みの構築が必要となります。

 発作性という性質から24時間のホルター心電図ではその検出が難しいということで、長時間ホルター心電図、イベントレコーダー、ループリコーダーなど様々な工夫がなされています。より手軽な方法をということで、スマートフォンを使った心房細動検出の試みも欧米を中心に行われています。今回、これに関して初めての国際前向き多施設研究の結果が発表されたので紹介します。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

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