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10月の1位は「LDL-C低値群へのスタチン」

2011/12/15

 今年11月に行った「2011年10月公開記事に関するアンケート」、ご協力ありがとうございました。今回も401人の先生方にご回答いただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。

 2011年10月に公開した循環器プレミアムのオリジナル記事中、閲覧1位は「J Am Coll Cardiol誌から●LDL-Cが70mg/dL未満の患者でもスタチンは有効」でした。9月に続き10月も、新着論文の記事が1位となりました。

 前回の本コラムで、新着論文の記事が1位となることは少ないと書きましたが、とある方からご指摘がありました。そこで調べ直してみると、2011年では1月にJAMA、2月にCirculation、4月にN Engl J Med、7月にJAMAからの新着論文を紹介した記事が1位になっていました。少ないということはありませんでした。

 この論文、ベースラインの低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値が70mg/dL未満という低い患者であっても、再灌流療法を受け退院した直後のスタチンの投与により、心血管イベント再発のリスクは44%も減少していたというものでした。

 読者としてはスタチンの投与によりLDL-C値がどこまで下がったかに関心があったと思いますが、論文ではその値に言及していません。discussionでは主にプレイオトロピック効果について議論していますが、退院後1カ月間のスタチンの処方歴で判断していること(その後の投与継続は主治医の判断による)、追跡期間も1年間と短いことなどから、著者もコメントしているようにプレイオトロピック効果ですべてを説明するには限界があります。

 しかも前向きのランダム化比較試験ではなく、後ろ向きのコホート研究です。これらを鑑みれば、本論文の結果をすぐに実臨床へ当てはめるのは難しそうです。「タイトルで読まされた」感もあると言えそうです。

連載の紹介

循環器プレミアム編集部から
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