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『心房細動に出会ったら』、全面改訂版が出ました

2011/04/25

 新刊書籍、『Revolution 心房細動に出会ったら』(メディカルサイエンス社刊、税込3570円)をご紹介します。著者は、循環器プレミアムの人気講座「心房細動塾」を“主宰”する山下武志氏です。誌名に聞き覚えがあるという方、鋭いですね。実はこの本は、08年春に発行された『心房細動に出会ったら』の全面改訂版と位置付けられています。

 ここ数年間で、心房細動の臨床は大きく変わりました。多くのエビデンスが生まれ、心房細動の治療戦略は、より明確になりました。抗凝固療法でも、半世紀ぶりという新しい薬剤が登場、わが国でも使えるようになっています。その一方で、新たな薬物療法として注目された魅力的な学説が臨床的な有用性を証明できず、葬り去られました。

 このように急増した情報を山下氏が整理し、日常診療を遂行するために必要な情報のみを残す形で再編成したのが、本書です。「改訂版」ではなく「Revolution」とした理由は、情報の再編成がドラスティックだったことを意味しています。事実、総ページ数は初版の152ページから第2版は298ページへと、倍増しました。しかし、歯切れ良い文章と明確なメッセージで、ボリュームが増えたことを感じさせません。

 まず高血圧や糖尿病などの基礎疾患をきちんと管理し、次に心原性脳塞栓のリスクが一定以上の場合は抗凝固療法を実施。その上で、患者の訴えが強ければ不整脈の治療を考慮という、山下氏が提唱する診療のアルゴリズムも、エビデンスによる補強を受けてさらに明快に打ち出されています。

 本書を読み、名実ともに、心房細動がコモンディジーズとしてプライマリケア医の守備範囲の疾患になったことを感じました。初版と同様、主たる読者対象は循環器を専門としていないプライマリケア医ですが、病診連携が進んだ今日、循環器専門医とプラマリケア医とが共通認識を持つという観点から、専門医も一読が勧められる書といえそうです。

高志昌宏@循環器プレミアム編集部

連載の紹介

循環器プレミアム編集部から
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