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『不整脈で困ったら』、山下武志氏の新刊です

2009/04/03

 循環器プレミアムの人気連載講座「心房細動塾」の執筆者で、本サイトのアドバイザリーボードもお願いしている山下武志氏による新刊、『不整脈で困ったら』が出版されました。

 本書は2008年の『心房細動に出会ったら』の続編という位置づけです。同書の上梓以降、講演などの際に心房細動以外の不整脈診療についての質問が増え、「心房細動以外の不整脈診療について自分のありかたを見直したいと思うようになった」と、山下氏は執筆の動機を語っています。

 不整脈を専門とする山下氏をしても、「日常診療で不整脈患者への対応に苦慮していることが多い」(序文より)とのことで、プライマリ・ケア医が抱く疑問を共有すると共に、「自らの診察室で行っている不整脈診療を表現するという形で、不整脈全体の初期診療についてその考え方から実践法までを可能な限りリアルに」(同)伝えたかったとのこと。

 「患者さんの生命予後とQOLの視点を強く持ち、一度立ち止まって考える」――。不整脈の診療にあたっての山下氏の基本原則が、本書でも貫かれています。2つの章の最後にある「Conference Roomで…」というコラムにおける、山下氏と思われる医師と研修医との会話に、同氏の考え方が凝集されていると感じました。

 本書の構成上の特徴を1つ。巻末にある「KEY MESSAGE集」が秀逸です。注意すべきポイントが箇条書きで列挙されているため、1冊通読後に頭に残ったフレーズから、該当するページへ簡単にアクセスできます。単語だけの索引よりも使いやすく、後日、実地で抱いた疑問への回答も見つけやすくなっているといえるでしょう。

 循環器医の中でも、不整脈に苦手意識を持っている医師は意外に多いそうです。「一つ目のハードル(心電図)、二つ目のハードル(基礎医学)はともに虚像のようなもの。気にせず進もう!」というメッセージは、循環器医にとっても新鮮に響くのではないでしょうか。第一線かつ最前線の不整脈外来のロジックを概観できるという点で、本サイトの読者である循環器の先生方にもお勧めできる1冊です。

(高志昌宏@循環器プレミアム編集長)


『不整脈で困ったら』 山下 武志 著
メディカルサイエンス社発行(A5判、180ページ)
3400円+税、ISBN 978-4-903843-04-9

連載の紹介

循環器プレミアム編集部から
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