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「感染性心内膜炎予防のための抗菌薬投与」についてのアンケート結果
6割超が広範な投与を支持するも、エビデンス不足の指摘

2008/11/18
高志 昌宏

 感染性心内膜炎の予防を目的とした抗菌薬の投与について、わが国の循環器医はどう考えているか、先日お願いしたアンケートの結果を発表します。

 米国心臓学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)の改訂ガイドライン(関連記事)のように限定的な考え方を支持する回答は、「1」の積極的支持が11.5%、「2」の消極的支持が23.1%で、計35%あまりでした。一方、わが国の現在のガイドラインのように広範な実施を支持する回答は、「4」の積極的支持が4.8%、「3」の消極的支持が60.6%と、計65%に上りました。

 それぞれの理由について自由記述欄のコメントを総合すると、広範な投与を支持する立場からは、「頻度は低いとはいえ、万一発症した場合は治療に難渋することが多く、多少の過剰防衛は致し方ない(無駄ではない)」というものになると思います。これに対して限定的な処方を支持する立場からは、「抗菌薬の使い方では、厳格な欧米に学ぶべきものがある」といったものになるでしょうか。

 ただ、考え方の違いにかかわらず、感染性心内膜炎の発症頻度や抗菌薬予防投与の効果などについて、わが国のエビデンスがないことを指摘する意見が多く寄せられました。エビデンスが明確でない現状では、判断は各医師の臨床経験に基づかざるを得ず、結果として「エビデンスがないから投与せざるを得ない」に傾きがちです。その点では、わが国で始まっている症例登録事業(CArdiac Disease REgistration:CADRE)から日本のエビデンスが生まれることを期待したいと思います。(高志昌宏@循環器プレミアム編集長)


アンケート期間:10月31日~11月10日
有効回答数:104

連載の紹介

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