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激変する医師の求人、専門医からジェネラルへ

2015/03/25
武元康明(半蔵門パートナーズ)

 連載第1回でご紹介した通り、私が代表を務める半蔵門パートナーズは企業のトップや医療業界に特化したエグゼクティブ・サーチ、いわゆるヘッドハンティングを手掛けています。

 当社の事業形態は、求人側が希望する条件を満たす人材を探し出す「サーチ・スカウト型」に該当します。クライアントの依頼を受けて、最適な候補者を“発掘”するのが私たちの役目。今回は、弊社に依頼する医療法人がどのような医師を求めているのかご紹介したいと思います。

病棟再編が進み「急性期後」の人材ニーズ拡大
 実は今、医療法人からの依頼内容が劇的に変わってきています。これまでは主として高度急性期や急性期を軸とする医療法人が専門性の高い医師を求める依頼であったのが、急性期後の回復期や慢性期、さらには在宅医療において「専門性を持ちつつ、ジェネラルに対応できる」医師を求める依頼へと様変わりしているのです。今では、弊社に寄せられる求人のほとんどが、そうした案件となっています。

 風向きが明らかに変わってきたのは2014年の秋口から。患者の重症度などの基準を満たしていなくても看護配置7対1の一般病棟入院基本料を算定できる経過措置期間が終了したことや、14年10月に「病床機能報告制度」がスタートしたことで、こうした動きが顕在化したものと思われます。

 急性期の一般病棟の要件が厳しくなってきたことで、一般病棟を地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟に転換させるなど、病棟再編により急性期後のステージまで担う方針を立てる法人が増加。経過措置期間が終了し、都道府県に病床機能を報告する段階に至り、急性期後のステージをマネジメントできる人材を探す動きが活発化したというわけです。

 アンテナの高い医療法人は、2018年の診療報酬・介護報酬のダブル改定をにらんだ中長期的な経営計画を策定し、早くから人材確保に動き始めています。

 国は、増え過ぎた急性期病床を削減する政策を次々に展開しています。わが国の病院の病床構成を、急性期の病床数が圧倒的に膨らんだ「ワイングラス型」から、ステージごとに均整のとれた「砲弾型」に変えていくというのが国の方針です(図1)。そうなると、回復期などの領域が拡大していくのは明らかです。病院を経営する医療法人は、急性期後の医療をいかに提供し、地域包括ケアシステムにどう関わっていくのかを真剣に考えざるを得ず、今までの延長線上では運営が難しくなるケースも少なからず出てくるでしょう。

 こうした動きを反映し、弊社のクライアントにも変化が表れてきました。従来は社会医療法人や公益法人が大半でしたが、最近はそれ以外の医療法人からの問い合わせも増えています。病床規模でいうと150~200床前後の医療法人が多いでしょうか。特に目立つのは、基幹病院の後方支援病院としての機能充実を狙い、一般内科医やリハビリテーション医を求める動きです。

著者プロフィール

武元康明(半蔵門パートナーズ株式会社代表取締役)●1968年生まれ。航空業界を経て大手商社系の人材ビジネスに携わり2003年、サーチファーム・ジャパン(株)設立に参加、07年社長就任、17年1〜3月会長。企業トップや医師のスカウトに特化した半蔵門パートナーズ(株)代表を務める。

連載の紹介

医師ヘッドハンティングの舞台裏
事業者が求める人材をピンポイントで“発掘”するエグゼクティブ・サーチ(ヘッドハンティング)。本連載では医師のエグゼクティブ・サーチを手掛ける企業のトップが、採用側の病院の事情や声を掛けられる医師の条件、交渉の進め方などスカウト活動の舞台裏を明らかにします。
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